私は公務員の退職者です。今から20年ぐらい前、新聞の投書欄のある記事が目に留まりました。その記事は今でも
切り抜いて保存してあります。その題は〈わが山林に自由存す〉その投稿者は50台半ばの方でした。その文章中には 自分の山林を持った喜びが生き生きと述べられておりました。当時私は40歳そこそこでしたが、これだ!と確信しまし た。
値段が安く手ごろなこともあり、何とか最初の山林を買い求めることができました。57歳のときでした。そこは、榛名
山のふもとの山林で以前段々畑だったところでした。小高い尾根筋にあり、直ぐ下には水田があり集落もあるのです が、木々が鬱蒼としていて深い山の中にいるような気持になります。人目につかず静かで眺めもよいところです。
大きな木木のまばゆい緑と太い味のある幹、エゴノキの一面に下向きに咲く白い無数の花々、時おり吹く心地よいそ
よ風、あちこちでさえずる鶯などの小鳥たち。私は車のトランクにいつでも茣蓙を積んでいますが、その茣蓙を敷いて 寝転んでいますと天国というのは、こんなところなんかなあ、と思うことさえあります。これに力を得て、次々に3件の山 林と畑を購入致しました。
周りの人たちはこんな私を変わり者と思っているようです。でも、私はそれぞれの山林で茣蓙を敷いて寝ているとき
は、やはり幸せだなあ、といつも思います。あ、それから、わたしは理科大好き人間なのです。植物、鳥、昆虫岩石、地 質、天文、気象、物理、化学、みんな好きなのです。でも、皆さんにはわたしは好かれそうにもないでしょうか? いや、 きっと仲間が一杯いると思いますよ!
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